Sakhalin Taimen

イトウについて

The Ecology of Sakhalin Taimen

イトウの生態

日本最大の淡水魚

イトウは日本最大の淡水魚でサケ目サケ科イトウ属に分類されます。国内では北海道の一部の河川や湖沼に生息しています。生息域・生息数の減少や、10~15年ほどの寿命で体長が1メートルを超える場合もあることから「幻の魚」として、釣り人たちの垂涎の対象です。

北海道に生息するイトウの学名は「Parahucho perryi」で「Para」は「~に近い」「~のようなもの」、「hucho」は「イトウ」を意味しています。ほかのイトウ属とは異なり、鱗が大きいことや唯一海に下るという生態を持ち、近年のDNA分析からも違いは明らかとなりました。それによりその学名に「Para(~に近い)」が付され別属とされましたが、Parahucho属とHucho属の違いは、いまだ多くの謎に包まれています。

イトウの産卵は4~5月ころ、中・上流部の川底の5~10センチほどの小石の下で行われます。産卵期にはオスには婚姻色が現れて全体に赤みを帯び、メスをめぐっての闘争も行われます。夏になり孵った稚魚は水生昆虫を食べながら成長し、成魚になるにはオスで4年以上、メスで6~10年かかるといわれています。

Fishing for Sakhalin Taimen

イトウ釣りについて

メーターサイズに成長するには10年以上かかるイトウ。永続的にイトウ釣りが楽しめるように、朱鞠内湖では規制を設けています。 かつて朱鞠内にもいたと言われている1m20㎝や1m30㎝のイトウ。 そんなイトウが釣れる湖を取り戻すため、ご協力をお願いいたします。

遊漁期間
5月1日~12月10日(日の出から日没まで) 1月10日~4月10日(日の出から午後4時まで)
漁具制限(竿釣) 1人につき 2本以内(5月1日~12月10日) 1人につき 5本以内(1月10日~4月10日)
※ヤマベ・アメマスを含めトータルで
採捕制限 全長65cm以上は採捕禁止
採捕尾数制限 1年間に1尾のみ可
5月1日~12月10日の期間は、すべての区域において再放流しなければならない。
利用可能な針 シングル&バーブレスフックのみ1竿あたり2本まで使用可。
1つの針に2本以上ついている針、又は3本針(トリプルフック)は使用してはならない。

Conservation

保護について

再生産できる環境を守る

魚道の設置や、魚道が機能しているかのチェックもマメに行い、密漁者の監視も厳しく行い、イトウが自然に再生産できる環境の保全・維持に努めております。イトウが産卵する河川で工事が必要な場合は、北海道大学雨龍研究林のご協力のもと、なるべく重機を使用しないなどの細心の注意を払っています。

朱鞠内湖のイトウを丁寧に増やす

朱鞠内湖では支流ごとにイトウのDNAが異なっているという研究結果が出たため、自然に産卵している河川に関しては放流を行っておりません。かつて生息していたが現在はいなくなった河川にのみ、実験的に放流を行っています。採卵を行う親魚は朱鞠内湖のイトウに限っています。放流は北海道立さけます・内水面水産試験場や研究者の意見を参考にして行っています。10年前に放流した河川に、イトウが産卵に上がっていることが確認され、引き続き経過を見守っています。

イトウを愛する町に

イトウへの理解を深めてもらおうと、地元の学校での授業の一環としてイトウの採卵の見学や川や湖での釣り体験、イトウのミニ講義等の活動も行っています。