イトウ稚魚の放流

2025.12.2
朱鞠内湖漁協の取り組みの一環として、

8月19日、11月4日にイトウの稚魚の放流を行いました。

 

5月に採卵し、孵化したイトウの稚魚です。

 

 

採卵についてはこちら↓

 

 

 

 

 

例年は発眼卵放流も行なっておりますが、今年は気温高の影響か

 

放流予定日より前に、孵化してしまいました。

 

孵化してからも毎日孵化場へ行き、水温管理や餌やり、水槽掃除をし

 

稚魚の様子を見守ってきました。

 

 

 

1匹が病気を発症すると、次々と発症しまうリスクがある為、消毒作業も行います。

 

また、夏場はかなり気温も高く、水温の管理がとても大変でした。

 

 

この水槽の中には何千匹ものイトウが。

 

4センチ台になると、とても食欲旺盛で餌を撒くと獰猛に食べ合います。

 

小さいながらもやっぱイトウなんだなと感じます。

 

 

 

放流の頃合を見計らい、8月19日と11月4日の2回に分け、今年度の放流を実施しました。

 

 

まずは、100匹の体重と体長を計測し平均を出します。(記録のため)

※上の画像は麻酔をかけているので横を向いています。

 

平均を出すと8月19日は4,99センチ/1,47グラム

11月4日は8,22センチ/4,12グラムでした。

 

その後、1匹1匹カウントしクーラーボックスに移し替え、

 

放流する河川に向かいます。

 

8月は5つの河川に7,000匹、

11月は4つの河川に1,773匹の放流を行いました。

 

 

画像だと分かりづらいのですが、比較的水の流れが緩やかで、

 

少し深みのありそうな場所を選んで放流していきます。

 

 

 

 

毎年そうですが、

 

当漁協では、昔は産卵に上がっていたけれど、河川改修など何らかの理由で

 

イトウがいなくなってしまった河川に、約25年前から実験的に放流を行っております。

 

今回の放流した河川も、昔はイトウがいたけれど、今はいないとわかっている河川です。

 

 

 

もちろん朱鞠内湖には天然のイトウが生息していて、

 

上流河川の多くは北大演習林内にあることから、産卵に適した環境や稚魚が過ごしやすい河川の状態が守られており、

 

自然に産卵が行われている河川も多くあります。

 

朱鞠内湖では河川ごとにイトウのDNAが異なっているという研究結果が出ているので、

 

上記のような、自然に産卵している河川に関しては放流を行っておりません。

 

また、採卵を行う親魚は朱鞠内湖のイトウに限っています。

 

毎年実施の産卵床調査で、放流の効果が出ていることもわかってきました。

 

今後とも経過を見守りつつ、イトウの保全・維持に努めてまいります。

 

 

 

 

河川のゴミ拾いも並行して行いました。

 

 

 

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